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マウスピース矯正ができない7つの例┃他の矯正治療の選択肢についても解説

マウスピース矯正ができない7つの例┃他の矯正治療の選択肢についても解説

マウスピース矯正は、見た目や日常生活への影響が少ない矯正方法として人気ですが、すべての歯並びに適しているわけではありません。歯並びの状態や顎の骨格などによっては、マウスピース矯正が適さない場合もあります。

この記事では、マウスピース矯正ができない例について詳しく解説します。マウスピース矯正が向いている人の特徴や他の矯正方法、よくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を使って歯並びを整える矯正治療方法です。

従来のワイヤー矯正とは異なり、金属のブラケットやワイヤーを使用せず、薄いプラスチック製のマウスピースを装着して歯を少しずつ動かしていきます。マウスピースは一定期間ごとに新しいものへ交換しながら治療を進めます。

装置が透明で目立ちにくく、取り外しもできるため、見た目や日常生活への影響が少ない点が特徴です。また、食事や歯磨きの際には装置を外せるため、日常生活への影響が少なく、口の中を清潔に保ちやすい点も大きなメリットです。ただし、1日20時間以上の装着が必要なため、決められた装着時間を必ず守ることが大切になります。

マウスピース矯正ができない7つの例

マウスピース矯正ができない7つの例

マウスピース矯正は目立ちにくく人気のある矯正方法ですが、すべての歯並びに適しているわけではありません。マウスピース矯正ができない例として、以下の7つが挙げられます。

  • 重度の不正咬合がある場合
  • 重度の歯周病がある場合
  • 歯を大きく動かす必要がある場合
  • 顎の骨格に問題がある場合
  • 埋伏歯がある場合
  • インプラント治療をしている場合
  • 自己管理ができない場合

ここでは、上記7つの例についてそれぞれ解説します。

重度の不正咬合がある場合

重度の不正咬合がある場合、マウスピース矯正ができない可能性が高いです。

不正咬合とは、上下の歯の噛み合わせが大きくずれている状態のことを指します。具体的には、出っ歯や受け口、前歯が噛み合わない開咬などが代表的な例です。このような重度の不正咬合は歯を大きく動かす必要があるため、マウスピース矯正だけでは対応が難しい場合があります。

マウスピース矯正は歯を少しずつ動かす治療には向いていますが、歯を大きく移動させたり、複雑な調整が必要だったりするケースには向いていないためです。重度の不正咬合の場合は、外科手術を伴うワイヤー矯正や他の治療方法が検討されることが多いです。

重度の歯周病がある場合

重度の歯周病がある場合、マウスピース矯正をすぐに行えないことがあります。

歯周病は歯茎や歯を支える骨に炎症が起こる病気で、進行すると歯を支える力が弱くなります。この状態で矯正治療を行い歯を動かすと、歯茎の炎症が悪化したり、歯が大きく揺れるようになったりする可能性があるのです。場合によっては、歯が抜けてしまうリスクもあるため注意が必要です。

そのため、歯周病がある場合はまず歯周病治療を行い、歯周組織が健康的な状態になってから矯正治療を検討します。

歯を大きく動かす必要がある場合

歯並びを整えるために歯を大きく移動させる必要がある場合、マウスピース矯正だけでは十分に移動させられないことがあります。

特に抜歯を伴う矯正では、大きなスペースを利用して歯を移動させる必要があります。

マウスピース矯正は細かな歯の移動には適していますが、歯を長距離移動させたり、角度を大きく変えたりする治療には向いていません。そのため、歯を大きく動かさなくてはいけない場合は、強い力で歯を動かせるワイヤー矯正が選択される場合が多いです。

歯並びの状態によっては、最初はワイヤー矯正で歯を動かし、その後マウスピース矯正へ切り替える方法で治療が進められるケースもあります。

顎の骨格に問題がある場合

顎の骨格に問題がある場合も、マウスピース矯正だけでは改善が難しいことがあります。

具体的には、上顎と下顎の大きさや位置のバランスが大きくずれている場合などです。マウスピース矯正は歯を動かす治療であり、顎の骨そのものの形を変えることはできません。そのため、骨格的な問題が大きい場合は、外科的手術を伴う矯正治療が必要になる可能性があります。

詳しい診断にはレントゲンや口腔内の検査が必要になるため、まずは歯科医師に相談することが大切です。

埋伏歯がある場合

埋伏歯とは、歯茎や顎の骨の中に埋まっていて正常に生えてこない歯のことです。

マウスピース矯正は歯の表面に力を加えて動かす治療方法のため、完全に埋まっている歯には力を直接作用させられません。埋伏歯を正しい位置へ移動させるためには、歯茎を切開して装置を取り付け、歯を引き出す処置を行う必要があります。

このような治療はワイヤー矯正と併用して行われることが多く、マウスピース矯正のみでは対応できません。歯の位置や向きによって適切な治療方法が異なるため、事前に詳しい検査を受けることが大切です。

インプラント治療をしている場合

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療方法です。

インプラントは天然の歯とは異なり、骨と強く結合しているため、矯正治療で動かせません。そのため、口の中にインプラントが複数ある場合は、歯を動かすスペースが制限されてしまうことがあります。場合によっては矯正計画が立てられないこともあります。

ただし、インプラントがあっても、セラミック矯正(歯を動かさずセラミックを被せることで見た目を整える方法)などの他の方法で歯並びを整えることは可能です。

治療の可否は歯並びやインプラントの位置によって異なるため、まずは歯科医師に相談してみましょう。

自己管理ができない場合

マウスピース矯正は取り外しができるメリットがありますが、その分自己管理が必要な治療方法です。基本的に1日20時間以上の装着が必要とされており、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かない可能性があります。

また、食事のたびに取り外して歯磨きを行うなど、セルフケアを丁寧に行うことも大切です。これらの自己管理をしっかり行わないと、治療期間が延びたり、期待した結果が得られにくくなる可能性があります。

自己管理に自信がない場合は、ワイヤー矯正も検討してみるとよいでしょう。

マウスピース矯正が向いている人の特徴

マウスピース矯正が向いている人の特徴

マウスピース矯正は、以下のような人に向いている矯正治療方法です。

  • 軽度から中等度の歯並びの乱れがある人
  • 前歯の軽い傾きやねじれがある人
  • 後戻りの再矯正をしたい人
  • 治療中の自己管理ができる人

ここでは、上記4つの特徴についてそれぞれ解説します。

軽度から中等度の歯並びの乱れがある人

軽度から中等度の歯並びの乱れがある人は、マウスピース矯正に向いています。具体的には、歯の重なりが少ない歯並びや軽いすきっ歯などです。

マウスピース矯正は歯を少しずつ動かしていく治療のため、このように大きな移動が必要ない歯並びであれば対応できます。

前歯の軽い傾きやねじれがある人

前歯の軽い傾きやねじれを整えたい方にも、マウスピース矯正が向いています。

前歯は見た目の印象に関わりやすいため、前歯だけをピンポイントで整えたいと考える方は少なくありません。これらも比較的少ない歯の移動で整えられるため、マウスピース矯正で対応できます。

後戻りの再矯正をしたい人

以前に矯正治療を受けたあとに歯並びが戻ってしまう『後戻り』が生じた方にも、マウスピース矯正が向いています。

後戻りの再矯正では大きく歯を動かす必要がないケースも多く、マウスピース矯正での対応が可能な場合が多いです。ワイヤー矯正をもう一度始めるのは負担が大きいと感じる方でも、マウスピース矯正なら少ない負担で再矯正を行いやすいでしょう。

治療中の自己管理ができる人

マウスピース矯正は、決められた時間しっかり装着できる人に向いています。

基本的に1日20時間以上の装着が必要で、食事や歯磨きのたびに外して、再びつけ直さなくてはいけません。取り外しができるのは大きなメリットですが、その分自分で管理しなくてはいけない場面も多いため、ルールを守って続けられる人ほど向いている治療方法です。

マウスピース矯正ができない場合の矯正方法

マウスピース矯正ができない場合の矯正方法

マウスピース矯正が難しいと判断された場合でも、矯正治療ができないわけではありません。マウスピース矯正ができない場合の他の矯正方法として、以下の4つが挙げられます。

  • ワイヤー矯正
  • ハイブリッド矯正
  • 外科的矯正
  • 部分矯正

ここでは、上記4つの矯正方法についてそれぞれ解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面や裏側にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく矯正方法です。

昔から行われている治療方法で、幅広い歯並びに対応できるのが特徴です。マウスピース矯正に比べて歯を動かす力が強く、大きな歯の移動や複雑な歯並びの調整にも対応しやすいメリットがあります。

装置が目立ってしまうのが気になる場合は、目立ちにくい白いブラケットや歯の裏側に装置を付ける裏側矯正を選ぶのもおすすめです。

ハイブリッド矯正

ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせて行う治療方法です。最初にワイヤー矯正で歯を大きく動かし、その後マウスピース矯正に切り替えて細かな調整を行います。

この方法を取り入れることで、マウスピース矯正だけでは難しい歯の移動にも対応できる場合があります。また、治療の途中から目立ちにくい装置に切り替えられるため、見た目を気にする方にも適している治療方法です。

外科的矯正

顎の骨格が原因で歯並びが乱れている場合は、外科的矯正が検討されます。これは歯を動かすだけでなく、顎の骨の位置や形を整えるために手術を行う治療方法です。

まずワイヤー矯正を行って歯の位置を整えてから、顎の骨の手術を行うという流れになる場合が多いです。骨格の問題が大きい出っ歯や受け口などでは、この方法によって噛み合わせの改善が期待できます。

部分矯正

部分矯正は、歯並び全体ではなく気になる部分だけを整える矯正方法です。

例えば、前歯の軽いガタつきや隙間を整えたい場合などに行われます。治療範囲が限られているため、全体矯正よりも治療期間が短くなりやすい点が特徴です。ただし、噛み合わせの状態によっては部分矯正だけでは改善が難しいケースもあるため、医師の診断を受けたうえで慎重に検討することが大切です。

マウスピース矯正に関するよくある質問

マウスピース矯正に関するよくある質問

マウスピース矯正に関するよくある質問をまとめました。

  • マウスピース矯正で出っ歯は治せる?
  • マウスピース矯正で八重歯は治せる?
  • マウスピース矯正で前歯だけの矯正は可能?
  • マウスピース矯正で失敗を防ぐには?

ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。

Q:マウスピース矯正で出っ歯は治せる?

マウスピース矯正では出っ歯の改善が難しいケースが多いですが、症例によっては可能な場合もあります。

例えば、歯の傾きが原因で前歯が前に出ている軽度の出っ歯であれば、マウスピース矯正で治せる可能性があります。しかし、顎の骨格が原因で出っ歯になっている場合は、マウスピース矯正だけでは改善が難しい可能性が高いです。その場合は、ワイヤー矯正や外科的矯正が必要となります。

Q:マウスピース矯正で八重歯は治せる?

八重歯は歯が重なって並んでいる状態で、叢生と呼ばれる歯並びの乱れの一つです。

軽度から中等度の八重歯であれば、マウスピース矯正で改善できる可能性があります。ただし、犬歯が大きく飛び出している場合や歯の重なりが大きい場合は、マウスピース矯正での改善が難しいことがあります。

このような場合は、ワイヤー矯正など別の方法を検討する必要があるでしょう。

Q:マウスピース矯正で前歯だけの矯正は可能?

マウスピース矯正は、前歯だけの矯正も可能です。例えば、前歯の軽い隙間やわずかなガタつきであれば、マウスピース矯正で前歯のみを整える治療が可能な場合があります。

ただし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合は、歯列全体を動かす必要があるため、前歯だけのマウスピース矯正が難しい可能性があります。

Q:マウスピース矯正で失敗を防ぐには?

マウスピース矯正で失敗を防ぐためには、歯科医師の指示を守って治療を進めることが大切です。

毎日決められた時間マウスピースを装着し、定期的に歯科医院を受診してマウスピースを交換することが重要になります。また、信頼できる歯科医院で治療を受けるのも、失敗を防ぐポイントの一つです。

マウスピース矯正の実績が豊富な歯科医院や、カウンセリングでの対応が丁寧な歯科医院を選ぶとよいでしょう。

まとめ

マウスピース矯正は目立ちにくいメリットのある矯正方法ですが、すべての歯並びに適応できるわけではありません。

重度の不正咬合や顎の骨格に問題がある場合、重度の歯周病がある場合などは、マウスピース矯正での治療が難しい可能性があります。歯並びの状態によって適した治療方法は異なるため、矯正治療を検討している場合は、まずは歯科医院で相談してみることが大切です。Shiro矯正歯科では、矯正に特化した歯科医師による個別矯正相談を実施しています。

相談だけでなく、検査やシミュレーションを行ったうえで、治療期間や費用のご説明を行っています。マウスピース矯正に特化した治療が可能なため、矯正治療を検討中の方はぜひ当院までご相談ください。

この記事の監修者
shiro_kyousei
Shiro矯正歯科 院長
秦 省三郎

資格
・日本矯正歯科学会認定医
・博士(歯学)

所属学会
・日本矯正歯科学会
・九州矯正歯科学会
・日本アライナー矯正歯科研究会
・日本先進矯正歯科学会

著書
・チェアサイド・ラボサイドの新矯正装置ビジュアルガイド(医歯薬出版株式会社)
・矯正歯科治療 この症例にこの装置 第2版(医歯薬出版株式会社)

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