矯正治療中に「装置に着色してしまうのでは」と不安を感じる方は少なくありません。
矯正装置にはゴムや樹脂などの素材が使われることがあり、そこに食べ物や飲み物の色素が付くことで、うっすらと色が変わることがあります。しかし、着色しやすい部分や原因を知り、適切な対策を行うことで、矯正中でも見た目を気にしすぎずに治療を続けることが可能です。
この記事では、矯正治療中に着色が目立つ原因について詳しく解説します。着色の対処・予防方法、着色が目立ちにくい矯正装置などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
矯正装置の着色しやすい部分とは
矯正装置は、すべての装置が着色するわけではありませんが、素材によっては色が付きやすい部分があります。
ここでは表側矯正とマウスピース矯正それぞれの着色しやすい部分について解説します。
表側矯正
表側矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ワイヤーを通して歯並びを整える矯正方法です。ブラケットやワイヤーは金属やセラミックで作られていることが多く、基本的にほとんど着色することはありません。
しかし、ブラケットとワイヤーを固定するための針金や、ブラケットとブラケットをつなぐゴムの部分は、着色しやすい素材が使われることがあります。プラスチックやゴムなどの素材は食べ物の色素を吸収しやすいため、時間の経過とともに着色汚れが目立ってくることがあるのです。
Oリング
Oリングは、ブラケットとワイヤーを固定するために使用される小さなゴムです。表側矯正ではよく使われる部品の一つで、ブラケットにワイヤーをしっかりと留める役割があります。このOリングはゴム製のため、カレーやコーヒー、紅茶など色の濃い飲食物の影響を受けやすい傾向があります。
食事のあとに丁寧に歯磨きをしていても、少しずつ色素が付着してしまうのです。ただし、Oリングは基本的に矯正治療の調整時に交換されるため、一般的には数週間から1か月程度の周期で新しいものに替えられます。そのため、多少着色したとしても長期間そのままになるケースは少ないと考えてよいでしょう。
パワーチェーン
パワーチェーンは、ブラケット同士をつなぐゴム製の装置で、歯と歯の隙間を閉じるために使われます。鎖のように連なった形状をしており、全体的にかけたり、部分的にかけたりとさまざまな使い方ができるのが特徴です。パワーチェーンも基本的にゴム製のものが多いため、食べ物の色素が付きやすい傾向があります。
特にカレーやコーヒーなどを頻繁に摂取すると、白いゴムがうっすら黄色く見えることがあります。ただし、着色したとしても大きく目立つほど変色するケースはあまり見られません。また、パワーチェーンも定期的に交換されることが多いため、過度に心配する必要はないでしょう。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着して歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。
食事や飲み物をとる際には基本的に装置を外す必要があるため、正しい使い方をしていればマウスピース自体が着色することはあまりありません。しかし、装着したままコーヒーやお茶などを飲むと、マウスピースや歯の表面に付いているアタッチメントが着色する可能性があります。
アタッチメントはレジンという樹脂素材で作られているため、色素を吸収しやすい性質があります。そのため、マウスピース矯正では飲食時に必ずマウスピースを外すことが大切です。正しい使い方を守ることで、装置や歯への着色を防ぎやすくなるでしょう。
矯正治療中に着色が目立つ原因
矯正治療中に着色が目立つ主な原因として、以下の5つが挙げられます。
- 歯磨きで汚れを落としきれていない
- 矯正装置の清掃不良
- 着色しやすい食べ物を好んで食べている
- 口内の乾燥
- 喫煙
ここでは上記5つの原因についてそれぞれ解説します。
歯磨きで汚れを落としきれていない
矯正装置が付いていると歯の表面に凹凸ができるため、通常より歯磨きが難しくなります。特にブラケットやワイヤーの周囲には食べかすが残りやすく、歯ブラシだけでは十分に汚れを落としきれない場合も少なくありません。
この落としきれていない汚れが長く付着していると、歯や装置の着色につながることがあります。そのため、矯正治療中は歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具を併用し、装置の周囲まで丁寧にケアすることが大切です。
矯正装置の清掃不良
矯正装置の清掃が不十分だと、着色が目立ちやすくなります。矯正治療では、歯だけでなく装置自体の清掃も大切です。
装置の周囲に汚れが残ったままの状態が続くと、色素が付着しやすくなり、装置の変色につながることがあります。特にワイヤー矯正では、ブラケットの周囲やゴムの部分に食べかすが残りやすく、時間が経つと色素沈着を起こすことがあります。また、マウスピース矯正の場合でも、装置をきちんと洗浄しないとマウスピース自体が着色することがあるため注意が必要です。
着色を防ぐためには、毎日の歯磨きとあわせて装置の周囲を丁寧にブラッシングし、マウスピースの場合は専用の洗浄剤などでしっかりと汚れを落とすことが大切です。
着色しやすい食べ物を好んで食べている
日常的に色の濃い飲食物を多く摂取していると、歯や矯正装置に着色が起こりやすくなります。特にコーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどは色素成分が多く含まれており、歯や装置に色が付きやすいため注意が必要です。
これらの飲食物に含まれる成分は、歯の表面やゴム・樹脂などの装置部分に付着しやすい特徴があります。頻繁に摂取すると、どれだけ丁寧に歯磨きを行っていても着色が目立ってしまうことがあります。
着色が気になる場合には、矯正期間中は上記のような飲食物はなるべく控えるのが望ましいでしょう。
口内の乾燥
口内の乾燥も、着色が起こりやすくなる原因の一つです。唾液には口内の汚れや細菌を洗い流す働きがあり、歯や装置を清潔に保つ役割があります。しかし、口呼吸などによって口内が乾燥すると、唾液の量が減り、汚れや色素が流れにくくなります。
その結果、歯や装置に色素が残りやすくなり、着色が目立つことがあるのです。矯正治療を始めたばかりの時期は口呼吸になってしまう方も多く、口内が乾燥しやすくなります。こまめに水分をとるなどして、口の中を乾燥させないようにすることが大切です。
喫煙
喫煙も、歯や矯正装置の着色を引き起こす原因の一つです。たばこに含まれるタールなどの有害物質は歯の表面に付着しやすく、歯の根元や裏側にヤニが付いてしまうことがあります。このヤニは歯だけでなく、矯正装置にも付着する可能性があります。
特にゴムや樹脂などの素材は色が付きやすいため、喫煙習慣がある方は注意が必要です。また、ヤニによる着色はセルフケアだけで完全に落とすのが難しいため、矯正治療中はできるだけ喫煙を控え、必要に応じて歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。
矯正装置への着色の対処・予防方法
矯正装置への着色の対処・予防方法は以下の通りです。
- 着色してしまったら新しい装置に交換する
- 装置を外して食事をする
- 着色しやすい食事は控える
- 毎食後丁寧に歯磨きを行う
- タフトブラシや歯間ブラシを活用する
- 外出先では携帯用の歯ブラシやうがい薬を活用する
- 定期的に歯科医院でケアを受ける
ここでは上記の方法についてそれぞれ解説します。
着色してしまったら新しい装置に交換する
ワイヤー矯正は、基本的に月に1回程度の通院で装置の調整が行われます。その際にゴムなどの部品は新しいものに交換されることが多いため、着色してしまっても次の調整で改善できる可能性が高いです。
ただし、ブラケットのように歯に固定されている装置は、簡単に交換できない場合があるため注意が必要です。着色が気になる場合は、どの部品が交換できるのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
装置を外して食事をする
マウスピース矯正では、装置を外して食事をするのが基本です。
マウスピースを付けたまま飲食すると、飲み物や食べ物の色素が装置に付着し、着色する原因になることがあります。また、装置を付けたまま飲食すると、食べ物の汚れが装置の中に残りやすくなり、虫歯や着色のリスクがさらに高まる可能性があります。
そのため、飲食をするときは必ず装置を外し、食後に歯を磨いてから再び装着することが大切です。正しい使用方法を守ることで、着色を防ぎやすくなります。
着色しやすい食事は控える
着色が気になる場合は、なるべく着色しやすい食事は控えることが大切です。着色しやすい食事は具体的に以下が挙げられます。
- コーヒー
- 紅茶
- 赤ワイン
- カレー
- ミートソースなど
これらの食品を頻繁に摂取すると、少しずつ色素が付着して装置の変色が目立つことがあります。装置の着色が気になる場合は、上記の食事の摂取頻度を減らす、食後にすぐ歯磨きをするなどの対処法を取り入れるとよいでしょう。
どうしても色の濃い食事を摂りたい場合は、装置の交換直前(通院前日など)のタイミングを選ぶのがおすすめです。
毎食後丁寧に歯磨きを行う
矯正装置の着色を防ぐためには、毎食後丁寧に歯磨きを行うことが大切です。
矯正中はブラケットやワイヤーの周囲に食べかすが残りやすいため、歯ブラシを小刻みに動かしながら装置の周囲までしっかり磨くようにしましょう。特に色の濃い飲食物を摂った後は、できるだけ早めに歯磨きをすることで着色のリスクを減らせます。
タフトブラシや歯間ブラシを活用する
矯正中は、通常の歯ブラシだけでは装置の周囲まで十分に汚れを落とせないことがあります。
そのため、タフトブラシや歯間ブラシなどの補助清掃用具を活用するのが効果的です。これらの道具を使うことで、歯ブラシでは届きにくい部分の汚れを落としやすくなり、着色や歯垢の蓄積を防ぐことにつながります。
外出先では携帯用の歯ブラシやうがい薬を活用する
外出先ではすぐに歯磨きができない場合がありますが、そのような場合は、携帯用の歯ブラシやうがい薬を活用するのがおすすめです。例えば食後に軽くうがいをするだけでも、口の中に残った食べ物の色素を洗い流すことができます。
また、小さな携帯用歯ブラシを持ち歩くと、外食後でも簡単に歯磨きができて便利です。外出先でも食後のケアを意識することで、矯正装置の着色を防ぎやすくなります。
定期的に歯科医院でケアを受ける
矯正治療中は、定期的に歯科医院でケアを受けることも大切です。
自宅での歯磨きだけでは汚れや着色を完璧に落とすのは難しく、装置や歯の表面に残ってしまうことがあります。歯科医院では専用の器具を使って歯や装置の周囲を丁寧にクリーニングしてもらえるため、着色や歯垢の蓄積を防げます。
また、装置の状態を確認してもらうことで、必要に応じてゴムなどの部品を交換することも可能です。矯正治療をスムーズに進めるためにも、定期的に歯科医院でケアを受けましょう。
矯正中の着色に関するよくある質問
矯正中の着色に関するよくある質問をまとめました。
- 着色が目立たない矯正装置はありますか?
- 矯正中にカレーを食べたくなったらどうすればいい?
ここでは上記2つの質問についてそれぞれ解説します。
着色が目立たない矯正装置はありますか?
着色が目立たない矯正装置として、マウスピース矯正と裏側矯正が挙げられます。
マウスピース矯正は、食事の際に装置を外すため、正しく使用していれば装置への着色の心配はほとんどありません。裏側矯正は歯の裏側に装置をつける方法のため、装置に色が付いたとしても、外からは見えにくくなっています。矯正装置への着色が心配な場合は、これらの治療方法も検討してみるとよいでしょう。
矯正中にカレーを食べたくなったらどうすればいい?
装置に着色した汚れは簡単には落とせないため、食べるタイミングを工夫することが大切です。
ワイヤー矯正では、調整のために定期的に通院し、その際にゴムが新しいものに交換されます。そのため、装置の着色が気になる場合は、調整の前のタイミングで食べるようにするとよいでしょう。矯正治療は長期間続くため、好きな食べ物を無理に我慢しすぎず、矯正装置と上手に付き合っていくことが大切です。
まとめ
矯正装置はゴムやプラスチックなどの部分に着色が起こることがあります。歯磨きで汚れを落としきれていないことや、矯正装置の清掃不良、着色しやすい食べ物ばかり食べているなどが原因で着色してしまう場合が多いです。
しかし、日々の丁寧な歯磨きや歯科医院でのケアを組み合わせることで、ある程度着色を予防することが可能です。装置への着色を防ぎたい場合には、着色が目立ちにくい矯正装置を選ぶのもよいでしょう。
Shiro矯正歯科では、マウスピース矯正による矯正治療をメインに行っています。マウスピース矯正なら着色を防ぎやすいため、矯正治療中の見た目を心配する方にもおすすめです。気になる方はぜひ当院までご相談ください。



